Q. 組織での情報取扱いに疑問を抱いた場合には!?
自分の権利利益の保護には例え所属企業であれ個人情報の提出には自己責任によって行うと共にどのような目的の元、どのような情報を提出したのか注意を払いながら自己管理を行うことを認識していかなければならない時代になってきていることを実感しています。対して企業側はそういった被雇用者に疑念を持たせることのないように説明義務を怠らず相手を気遣いながら理解と同意を求めることを再度徹底していかなければならない時代になってきているのかもしれません。
今回は職場での個人情報の取り扱いについて書かせていただこうかと思います。皆さんは職場での個人情報の収集と個人情報の取り扱いについて正しい認識を持っていますか?
昨今のニュースでも個人情報の取り扱いについては毎日のように騒がれていますが、個人情報の収集と利用にはその目的を含めて正しく相手の説明を行った上で厳重な管理の元に収集を行うべきであり、なによりもその個人情報が原因となり個人の権利利益を侵害してはならないと考えられています。企業の社会的責任の面においては個人情報の取り扱いにはこのルールが個人情報取り扱い事業者のみならず、一般企業でも当たり前のように適用され順守されることが求められています。
以前、勤務した企業でこのようなことがありました。ある日、個人トレーの中に個人情報である住所・名前・連絡先・固定電話の連絡先を記入して提出する旨を記載した用紙が説明もなく入っていました。利用目的は書かれておらずその情報は会社で保管されており入社時点で履歴書等で確認できる情報のはず。『なぜ今頃になって』さまざまな疑念が沸き起こります。利用目的の説明がない以上様々なケースが考えられ、個人情報保管組織に問い合わせることが手間がかかるのか、別の団体で使用するのか、個人が勝手に創作して個人の私利の為の目的なのか、その個人情報利用に関する憶測はきりがないほど考えられます。用紙に目的や説明記載がない以上問い合わせてもあまり意味がないように思え、最悪宗教団体への利用なども考えられるほどそういった個人情報の流出による脅威は計り知れません。
結局、専門機関に相談をした結果、利用目的の不明な『個人情報の提出』については一旦保留にして相手の出方を待つことにしましたが、目的の不明な個人情報の流出ほど怖いものはないというのが実感でした。
個人情報取り扱い事業者であれば、そういった点は厳重な管理の元で取り扱いを行いますが、個人情報の取り扱いが少なく認識の薄い企業ではこのようなこともまだまだ起こりえます。例えばその利用目的が不正であった場合、その提出した人間はどれほどの社会的損失を受けるでしょうか?
現代の労務問題では企業との信頼関係をあったとしても大きな組織になればなるほどそこで働く方は多様な人格を持っていることを忘れず、その行動一つ一つに十分に注意を払い冷静な判断を行い対処することを求められます。もし組織に疑念を抱いた場合、組織内のコンプライアンス組織への相談はもちろん、外部の専門の方と連携をとり対処することも必要であることを教えてくれた事件でもありました。
自分の権利利益の保護には例え所属企業であれ個人情報の提出には自己責任によって行うと共にどのような目的の元、どのような情報を提出したのか注意を払いながら自己管理を行うことを認識していかなければならない時代になってきていることを実感しています。対して企業側はそういった被雇用者に疑念を持たせることのないように説明義務を怠らず相手を気遣いながら理解と同意を求めることを再度徹底していかなければならない時代になってきているのかもしれません。
A. 外部の適切な専門機関への相談・連携を図り対処